「口腔ケア」について講演をしてきました。
先日、鍋島公民館で「口腔ケア」についての講演を行いました。
色々な質問も寄せられ、皆さん熱心に聞いていただきました。
当日お越しいただいた皆様、ご清聴ありがとうございました!
色々な質問も寄せられ、皆さん熱心に聞いていただきました。
当日お越しいただいた皆様、ご清聴ありがとうございました!
講演のテーマは、「高齢者歯科~誤嚥性肺炎の予防・認知症とのかかわり」。
医療・介護従事者だけでなく民生委員の方、サポート委員の方、一般参加の方もおられましたので、明日からすぐに役立つ内容を中心にお話しさせていただきました。
一時間ほどの限られた時間でしたが、内容を簡単に紹介します。
誤嚥性肺炎については、
・原因が細菌の感染であること
・人間の最大の感染・慢性炎症巣は口の中であること(重度歯周病の方は手のひら大の潰瘍を抱えています!)
・「高齢だから仕方ない」ではなく、かなり予防できる部分があること
・歯周病菌の検査と嚥下内視鏡検査
・「普段の口腔ケア」と「歯科衛生士の専門的口腔ケア」の違いと位置づけ
・効果の高いエビデンスのある摂食嚥下リハビリテーション
・夜間の呼吸、唾液誤嚥と「入れ歯」の関係 ……etc
認知症については、
・歯周病マウス(ねずみ)での認知症の研究(アミロイドβが1.4倍)
・咀嚼と脳血流の増加
・脳の運動野感覚野での「口」に関係する領域(ペンフィールドのホムンクルス)
などの学術的な内容の簡単な紹介
・口腔ケアによる歯周病菌の減少や口腔マッサージの刺激が認知症に与える影響の可能性について
・「ユマニチュード」による認知症対応について ……etc
当日講演後のアンケートでは、役に立った・面白かった・続きを聞きたいなど、好意的なものが多く、とても嬉しく励みになりました。
また、「歯科に訪問診療があることを初めて知った」「もっと早く知っていれば、父の介護の時役に立ったのに」「若い時から企業等にも口腔ケア指導が必要なのでは」など、私たち歯科医療従事者が真摯に受け止めるべき御意見も多数あり、大変勉強になりました。
「子供の虫歯の放置は虐待」と位置付けられて久しく、保育園で学校で半ば強制的に歯科治療に行かされます。
しかし、未だ「高齢者の口の中は放置」されたままです。
口の中の細菌が寿命を縮め、人生の最終段階をつらいものにしているにも関わらずです。
今回のような機会が増え、御高齢の方の口腔ケアの重要性がもっともっと世の中に広まればいいなと思います。
また、今日の記事中で気になったことがあれば、診察室で、受付で、お気軽にお声掛け・ご質問ください。
院長 池田現人
2018年11月27日 22:45